7.民事再生という選択

皆さんは債務整理或いは任意整理という言葉を聞いたことがありますか。これは読んで字の如く、債務を整理することです。例えば借金が大幅に増えて返済が不能になったときの一種の対策であり、言い換えれば救済手段です。例えば最近よく見られる例として、クレジットカードを使い過ぎた結果自分の支払い能力を超える買い物をしてしまい、その結果として多額の債務を抱えてしまう、といったケースです。ですがもっと悪い例として、そうしてできた負債を返済するために、さらに別の業者等から借金をしてしまい、それを返済するためにまた別の業者から借金するという、所謂多重債務という状態です。これだとまさに抜け道のない悪循環であり、負債はどんどん膨らんでしまいます。いろいろな業者から借金を繰り返していると、こうした結果になってしまうのは自明の理なのですが、残念ながら現実にはこうした落とし穴にはまってしまう人も少なくないようです。ただでさえ不景気なのですから、このような話は巷で幾らでも聞くことができるでしょう。私達は他人事と考えず、自分の財布や懐に関しては気を引き締めていかなければならないのです。ところで実際にもし私達が不幸にもこのような借金地獄に陥ってしまった場合、どうしたらいいのでしょうか。このときに最後に頼るのはこの債務整理という方法です。皆さんも万が一そうした不幸な状況に陥ったときのために、こうした債務整理のあらまし、手続きの仕方等について知っておいても損はないと思います。以下こうした債務整理の具体的な話について紹介していきます。
一口に債務整理と言っても、その債務整理の方法には実はいろいろな種類があります。代表的なのは任意整理や自己破産といった方法です。そうした債務整理の方法の一つに民事再生と呼ばれる方法があります。皆さんはこの民事再生という言葉を聞いたことがありますか。恐らくこの言葉を聞いたことがある人はあまり多くないでしょう。ですが民事再生という言葉をたとえ聞いたことはなくても、その文字を見れば何となくその内容が想像できるのではないでしょうか。民事再生は借金整理の方法の一つであり、その具体的な方法としては多額の借金に苦しむ人が裁判所に申し立てをし、借金の総額を100万円または元の借金の5分の1まで減らして、その後3年間で返済するという手続きです。この民事再生と並んで同じく債務整理の手段の一つとしてよく知られているものに自己破産があります。ではこの自己破産と民事再生とでは、どのような違いがあるのでしょうか。自己破産の場合はマイナスの資産と言える借金を帳消しにできますが、同時にプラスの財産とも言える不動産や自動車、及びその他のまとまった金額の財産も処分されることになります。先にも書いたように厳密に言えば全ての所謂プラスの財産が失われるわけではなく、不動産や自動車などの価値の大きい財産が処分されるわけで、生活必需品とみなされる一部の家財道具などは処分されることなく手元に残ります。自己破産はこうした特長を持っていますが、これに対し民事再生は財産を処分することなく手元に残したままの状態で、借金を大幅に減らすことができます。たとえ不動産のような高額の財産であっても、たとえ住宅ローンがまだ残っている家の場合でも、処分されることなく手元に残ります。また自己破産の場合借金の理由も問われます。ギャンブルや浪費等が原因で借金がかさんでしまった場合には裁判所から免責が受けられなくなってしまいますが、民事再生の場合は借金をした理由が問われませんので、たとえギャンブルや浪費等の事情で借金をしていたとしても、借金を減らすことが可能です。こうして見ると民事再生にはメリットが多いように思われます。ここからは民事再生が一体どういう内容で、またその手続きの過程で何を行うのか等を、わかりやすく説明していきます。

結局のところこの民事再生の制度は、裁判所へ申し立てをして借金を一定の金額にまで帳消しにするという手続きだと言うことができます。よく一般に誤解されがちですが、民事再生手続きの主旨はそれを申し立てた人を追い詰め、その責任を追及する制度ではありません。ましてや民事再生の申立人に刑事罰が下されるということもありません。その主旨は寧ろ、ここで民事再生によって債務の整理を行うことで借金を造ってしまった事実を今後の戒めとし、それ以降の人生をやり直すための制度であると考えることができます。こうした視点に立っているのは何も民事再生に限りません。自己破産も任意整理も、債務を整理する制度の目的及び考え方は皆その視点に立っていると言ってもいいのです。皆さんも万が一不幸にも、返済できない程多額の借金に苦しむようなことがあれば、まずは借金問題に関する専門家に相談してみることをお勧めします。そうして専門家からは借金問題への造詣が深く、必ずや任意整理や民事再生等適切なアドバイスを与えてくれることでしょう。そうすることで現在の借金に苦しむ生活から抜け出すヒントが得られるはずです。皆さんも一人で悩んでいないで、一刻も早く行動して借金生活から抜け出しましょう。