4.任意整理の選択

多額の借金の返済に苦しむ債務者が多方面から借金をしているとします。任意整理は他の借金整理の方法とは異なる特徴が一つあります。それは数々ある借金の中から、特定の借金だけを選んで、それを借金整理の対象とすることです。これはどういうことかと言うと、例えば消費者金融から借りた借金だけを任意整理の対象として整理できたりする、ということです。こうしたことが可能なことも任意整理の特徴の一つだと言えます。
このように任意整理では、手続きをする債権者を選択することができます。ですので例えば消費者金融からの借金だけを任意整理の対象にすることができますし、或いは保証人が付いている債務、はたまた住宅ローンや自動車ローン等の債務を除いて、それ以外の債務について任意整理手続きを行うことが可能です。これが例えば自己破産の場合だと、債権者平等の原則に従って、それぞれの債権者から幾ら借りていようと、利息がどうなっていようと、全ての債権者を同じように扱わなければなりません。特定の債権者からの債務だけ選んで、それを自己破産による整理の対象にする、といったことはできません。任意整理の場合はそうではなく、特定の債務を選んで任意整理の対象とすることができるので、その点が大きな違いだと言えます。
ただし、ここで注意しておいていただきたいのは、所謂ブラックリストとの関係です。任意整理で借金の整理をすると、所謂ブラックリストに載ってしまい、今後数年間キャッシングやローンが受けられなくなる、といったデメリットがあります。またこのブラックリストは、それぞれの金融会社が単独で所有、管理しているのではなく、複数の金融会社が共有して利用しています。従ってある金融会社からの借金を任意整理手続きの対象から除いたとしても、その後もその金融会社の利用を継続できるとは限りません。やはり任意整理を行なったと言う事実は、金融会社の業界内においてその情報が知れ渡ってしまうのが現実です。そのため、もし今後も利用をし続けたいという理由で一部の債権者を除外することは完済を遅らせる原因にもなります。また所謂ブラックリストに名前が載るのは一体どのくらいの期間なのでしょうか。この問題については、任意整理でのブラックリストに載っている期間は、大体借金の完済後5年程度とされています。従って任意整理を行なったことで、結果的にその金融機関を再利用できる時期が遅れてしまう可能性もあります。従って一部の債権者を除外することは場合によっては得策とは言えないでしょう。いずれにせよ任意整理においては慎重な判断と選択が求められます。詳しいことは任意整理等の借金問題を専門に扱っている弁護士や司法書士等の専門家に相談してみるといいでしょう。